オルタナ

ライブと映画

GOATBED TOUR 2014 「2×2」 8.25、26@心斎橋FANJ twice

2か月ぶりのゴート、半年ぶりのワンマン、1年ぶりのツアー「2x2」@大阪に行って来ました。

今回もきっちりとセトリ忘却初段くらいの腕前を発揮してきましたので、あんまりどんな曲をやったかは覚えていません。しかし私のような人のためにか、今回はライブ終わりにセットリストと収録アルバムを書いた紙を張り出してくれたので何とか辛うじてレポートっぽいものが書けそうな予感がしているのですが、ただでさえ長文気味な私がそこまで事細かにやると過疎地域の小学校の卒業文集くらいの文量になってしまうと思うのでいつも通り感想中心にします。

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【1day 8.25】

なんと今回の2days、整理番号が2日間で1番違いというe+が私の分だけ抽選を不精したのでは…?と疑うくらいの近距離番号でした。別に違う位置で見ても良かったんだけどせっかくなので二日間とも同じ位置(3列目ドセン)で見ました。
大体いつも一人なので何のライブに行ってもSE聴くのを楽しみにしてるんだけど、今回のSEめちゃくちゃ好みだった!石井さんの宇宙レベルの音楽遍歴なんてとてもじゃないけど把握できませんが、D.A.Fとデヴィッド・シルヴィアンが使われてるのが分かってテンション上がりました。

と、テンションをセルフアップしているうちに石井兄弟登場。FANJってステージも高ければ演者の入口も高いんだけど、そこから白いシアーなブラウスをひらひら揺らめかせながら出て来た石井さんは本当に天使(本物)だった。ウィーン少年合唱団リードボーカルとコーラスをひとりで背負えるくらいの天使だった。登場時はまだ翼の折れてない純真無垢天使だったのですが後半は………

本編はこのツアーの為だけに作られたというINTROから始まってそこから新曲や最近のアルバムからちょっとずつ色んな曲をやりました(適当)。この前行ったときも感じたけど、FANJの照明は本当に素敵なお仕事をしてくれます。何かの曲でレーザーが客席後方に向かって何本か伸びてきて、ちょうどそれがお客さんの頭上を覆って低い天井みたいな形になってたんだけど、まさに水中から空を見上げるような感じでとっても幻想的だった(なんとこのレーザーはお持込だったようです)。この曲の間、周りの空気が一気に溶解して体が水中に澱んでいくような不思議な感覚がしました。「」ying&yangの曲って表面はひんやりしてるのに中まで手を伸ばすと人肌くらいの温度感があって聴いていてすごく心地良い。
あとYing&Yangの2番を原キーの1オクターブ高く歌ってたんだけど、それがくちびるから花びらを零すかのごとく華奢で繊細な歌い方で、そのあまりの美しさに感動して思わず肺のあたりがジュッと熱くなりました。歌の上手さや声の美しさはこの期に及んで私がわざわざ言うまでもないけど、首の傾け方とか目線とか息の吐き方とかそういう付属的なアレコレの魅せ方が本当に上手な人だなぁと思います。

そしで10曲ほど演ったあとで、MC。
・たくさん来てくれてますね、去年のほうが多いけど。まあ今回は2daysだからこんなもんかな。
・今のところ大阪にはもう来る予定は無い。
・何で今回2daysなのかっていうとお客さんに「なかなか大阪来ないんだから次来るときは2daysにして」って言われたから。だから皆さんもなにか思ったことがあれば積極的に言ったほうがいいですよ。
・何か喋ろうか、でも皆さんライブに来るくらいだから曲を聴きに来てるんだろうしね、曲をやります。
・…え?まだ喋る?喋らない?(客:シャベッテー)…(ニヤッ)喋らない!(曲ポチッ)

後半はこないだ聴けなかったHOLOGOHSTを聴けたので嬉しかった。ごく個人的な好みの話だけどHOLOGOHSTの照明は赤のほうが好きだなぁ。あの曲の匂い立つ危機感にはサイレンみたいに威圧的で舌みたいに倒錯的な赤色が一番似合う(と、私は思っている)。あと会場限定配布曲のBUNNY BLADEがとてもかっこよかった。23世紀の電脳都市の夜遊びボーイ&ガールがクラブを抜け出し盗んだバイクでハイウェイを爆走するときのBGMとかで流れてたら超いいですね。
それと何かの曲でマイクをゴトッと落としてたんだけど、そのあとの窓ガラスを割ってしまった磯野みたいな悪ガキめいた表情がすごいキュートでした。タフな石井教信者なのでその後の「許してニャン」フェイスまで余裕で見えました(石井さんの名誉のために断わっておくとしてないです)。

で、MC2回目。
・皆さん今日は来てくれてありがとう。今日のライブも勿論良いですけど明日のライブは今日の5、6倍良いですよ。今日しか来ない人はもう一度考え直して下さい。明日もありがとうと言いたい……いや(今日来た人が明日来なくてもお礼はちゃんと)言うけどね!(笑)
・今回のTシャツの妖精さん誰だと思います?ここだけの話あれは山口小夜子なんですよ。山口小夜子のTシャツなんてどこにも無いから買った方が良いですよ。勿論無許可です。ザバットの時にもGET UP BOYってことでデヴィッド・ボウイの顔使いましたがあれも無許可です。

この辺のブレないT-shirts sales person精神も大変素晴らしかったです。

あと、前述した通り今日のお衣裳はミカエル石井って感じでもしプラトンが今日のライブを観に来ていたら一目で恋に落ちるくらいの無垢なおすまし美少年ルックだったんですが、ライブが進むに連れ前開きのボタンが徐々に徐々に下に外れていっていて淫靡まるでシンプルなでした。ゴーチエの小説に「死霊の恋」という僧侶が娼婦に恋をする話があるけれど、今ならあの話の感想文を世界一うまく書ける自信がある。背徳がもし人間だったらきっとああいう姿をしてる。

そしてアンコールにてルネッサンスが華々しく破裂して25日のステージは終了。

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【2day 8.26】

二日目はOnly Finally There Is The Free Endから始まりました。FinallyとEndって単語のせいでこの曲が出てくるとライブ終わるような気がしてパブロフ的に少しハラハラします。
そこからアナーキックマジックとかもやりつつ「」ying&yangのアルバムを中心に10曲ほどやったのちMC。

・みなさん今日も楽しそうですね。安心しました。これがGOATBEDの世界観なんですね。(シーン)
・2月か3月にもまた大阪に来ます。来ようと思えば来週でも来月でもいつでも来れるんですよ。ここにいる皆さんが来ると約束さえしてくれれば。逆説的ですよね。

昨日は「もう大阪は来ない(ツーン)」って感じだったのに一体どういう風の吹き回しでしょう。昨日のライブがよほど良かったのかそれとも単に今日がたまたま情報解禁日だったのか、はたまたお気に入りのたこ焼き屋さんでも見つけたのか理由は不明ですが、とにかく石井さんがまた大阪に来る気になってくれて良かったです。

後半はBOWIE KNIFEやスリッポン、限定配布曲のMUSK CAT、ウレイデイバイデイなど好きな曲を畳み掛けるようにやってくれて楽しかったなぁ。石井さん、常にスウェーデンの福利厚生並みに安定感のある高水準の美声を維持してるけどこの2日間はいつもよりさらに輪をかけて美しい声だった気がする。特にスリッポンの高音部は真冬の空を鋭利な刃物でくり抜いた切り口みたいに完璧に冴え渡っていて真っ直ぐで、聴いていてぞくっとした。スリッポン以外だとTBPTのビブラートも本当に素晴らしかったです。
で、この日のライトニングサンダーボルトはスペシャルバージョンでした。昨日やった時に突如音がブレて歌いながらMacをいじるシーンがあったのですが、やはり機械のトラブルだったようでホテルで急いで直してそのついでに16小節長くしてみたとのこと。石井さんは「リハではやらずに今ここでいきなり長いバージョンやってみたんだけど…なんか気持ち悪いね。」と仰ってました。
それからMC2回目。

・俺が一番気に入ってる曲ってなんだか分かります?ライトニングサンダーボルトなんだけど、何でか理由分かります?分かります?(ここ客にすごい投げかけてきた)…名前がかっこいいでしょ?だから好き。名前って大事だよ。どんなに嫌でもその内慣れてくるから皆さん自分の名前は大切にね。たとえゴーリ〇って名前でもその内慣れてくるから大丈夫。このGOATBEDって名前も気に入ってる。
・基本的に昔のゴートと今のゴートは全く別のグループだと思ってるけど、名前変えなかったらメンバーチェンジとか活休とかしても昔の曲いくらでもやれるから名前はそのままで使ってる。どうせ俺が作った曲ばっかりだし。始めたころと比べるとお客さんの顔ぶれもガラッと変わった。
・別にこれ以上売れたいなんて思ってない。この規模でこれだけ集まってくれればそれで満足。だって雑誌とかも乗らないにこれだけって凄いでしょ?まあ載せてくれないんだけど。フェスも出ないでしょ?まあ出してくれないんだけど(笑)

MCから曲に入る時の「じゃあ盛り上がる曲を…盛り上がるか?盛り上がる曲グフォッをいくつか…… (雄次さんを急いで振り返って)どうぞ!!」っていうシーンが私的にはこの2日間のMVPかな。あとは何の曲か失念してしまったのですが、曲の終わりにお辞儀をしたあれは何だったんだろう。よくやる役者的な仰々しいお辞儀ではなく、両手を体側面にぴしっとつけてのフォーマルなお辞儀だったのでつられて私も頭を下げてしまいました。前の人もペコッと下げてたしかなりシュールな光景でした。

アンコールでやったAI CATCHはサビの部分がRADICAL MATでした。いまいち歌詞以外の違いがよく分かってないんだけど、charaのきえるとkissみたいなものだと思ってます。ラストはOUTROで、ジャグジーの泡の中で眠るような心地よさに包まれて終わりました。
OUTRO、会場で聴いたときは全然気にしてなかったんだけど帰宅後iPodに入れてよくよく聴いてみると後ろの女の子のセリフが怖すぎてもう聴けなくなりました。本当に。

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そんな感じで楽しい二日間でした。

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