オルタナ

ライブと映画

エコール

夏休みに友達と遊ばずに図書館の書庫でひとり嶽本野ばらを熟読するようなうす暗い青春時代を送った経験がある人や小さい女の子コンプレックスの人にはたまらない映画です。教会の裏のハムスター専用墓地とかに満月の晩にそっと埋葬して後者の眼には出来るだけ触れさせたくないような作品だけど、カットやアングルがなかなかあざといのでもしかしてそういう層のことも意識して撮ったのかなと思いました。

ストーリーは私の大好きな”結末にどこにも救いが無いが当人らは幸せになるだろうと思っているシリーズ”です。出てくる少女は美しく愛らしく、ロケ地も針葉樹が立ち並ぶ欧風の深い森、全編を通して映像に汚い物は何一つ出てこない。ただただ綺麗で映像だけでうっとりしてしまう。フランス映画っぽいなと思ったのは、例に漏れずモノローグや背景説明が一切ないこと、そして風や水の音がそのまま同じ大きさで映像に入ってくること(あまり定義については詳しくないのでこのあたりで見逃して下さい)。正直フランス映画ってあまり好きではなかったんだけど(言語的な慣れが無さすぎてセリフを聞いてるともやもやして)、日常のふとした瞬間にすっと入り込んで至極自然に消えていって心にじんわりと余韻を残すのってフランス映画ばかりだなと気づいてからだんだん好きになってきました。あとアエラ・ラベの写真が動画になったらこの映画になりそうだなーって思った。まあそれはおいておいて。

ラストのビアンカたち上級生が地下鉄で外の世界に出ていくシーンでの「私たちどうなるの?」「私たちをすぐに忘れる」というエヴァビアンカの会話から滲みでるエヴァの硬質な悲しみが非常に印象深い。こういうシーンに出てくる煙草ってすごくいい味出すよね。
最後に。この学校の女の子たちはこの先みんな幸せになれないと思う。それでも彼女らは生き続けなければいけない。

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