オルタナ

ライブと映画

ZIZ×SPEECIES ジズスピバトルトロニック1.12@難波ロケッツ

新年一発目のサイエンスフィクションなライブに行ってきました。
思い返せば去年は石井さんかロビンさんの出てるライブにしか行っていなかったので、視野を広げるという意味で幸先のいいライブ初めになったのではないでしょうか。

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まず最初にダンスのパフォーマンスがあって、20時前にスピーシーズがスタート。演奏の前にSadie Pink GalaxyことKEISUKEさんが幼稚園の頃に先生と行なった対談の様子(「将来の夢は新幹線」、という貴重な声明が聞けた)と伝説のポジパンチューン「まほうつかいはすんでいる」が流れ、とっても微笑ましい雰囲気で始まりました。ダンスの段階からすでに"21世紀なんてとっくの昔に終わったゼ"感は存分にあったのですが、5人がステージに並んだ瞬間、即座に"時は23世紀、ここは第10次ヴァーチャル宇宙大戦終戦後のナニワ・カオス・シティー・・・"というアナウンスがバック・トゥ・ザ・フューチャーのブラウン博士の声で流れました(心の中で)。トレードマークの網仮面(他に適当な言葉が思いつかない)に馬のたてがみのようなヘアスタイル、カッチリしたジャケットの下には山本寛斎を思わせる極彩色のシャツを着てゼブラ柄のスキニーで現れたサディーさんは、ニューあべのハルカス地上500階に事務所を構える敏腕デジタルマネー貸しみたいで超カッコよかったです。セトリはSEXIVIAから数曲と、0Y0Yとか初期の曲をちらほら。UN美者とBODY TO BODYが聴けたのが嬉しかったな。BODY TO BODYのサビのあの小気味いい気怠さに合わせて腕を上げるの堪らなく楽しいですね。 虹彩をスパンコールにすげ替えられたのかと思うくらいに光と色とが贅沢にギラめき合うステージの様子に終止釘付けでした。
途中、サディーさんの付け毛が取れるという未来都市の技術を以てしても予測不能の事故が起き「うわ直らへん。これなしでもいける?」と尋ねたサディーさんにチャヂさんが「いやでもこれ無くなったらただの変態仮面っぽいすよ。」と返していて、2世紀後も変態仮面は健在だという貴重な情報を得ることが出来ました(結局そのあと毛は取って髪を下ろした状態で演奏してた)。

で、20時半頃からZIZスタート。koziさんは4年前のXA-VATジャパンツアーぶりに見たのですが、変わらぬそのカリスマっぷりに"目を奪われる"という日本語の正しさをここぞとばかりに主張したいです(XA-VATでは石井さんばかり見てたけど)。顔の傾け方とか指の振り方とか、身のこなしの端々から溢れ出てしたたるほどのカリスマ感のおこぼれにあずかろうと必死に仰ぎ見ていましたが、家に帰って鏡を見てもいつも通りの自分でした。ZIZはきれいめな感じの曲が多いのかなと勝手に思ってたけど、けっこう激しめの曲も多いんだね。ところどころで起きるヘドバンに最初は面食らったけど、次第にその美しく統制の取れた乱れ方に感動を覚えはじめた。物理的には一糸どころの騒ぎじゃなくて千も万も億も乱れてるんだけど、一糸乱れぬ頭さばき!と表現したくなるほど洗練されたヘドバンでした。
最後に唯一知ってるSuper Naked Diskoが演奏されたので前に出て踊りに行ったんだけど、皮膚が熱気を孕んで膨張するあの感じを久しぶりに体感することが出来て単純に気持ちよかったし楽しかった。 おれたちのゴートベッド兄さんが春のツアーに"THE DANCE NOT SYNDROME"(意:踊れない症候群)という果たし状的タイトルを冠してきたので、この感覚を忘れずに迎え撃とうと思います。


最後のセッションではサディーさん(半裸)のドラムが聴けてびっくりした(ドラムもたしなまれるとは知らなかった)。ラストは両バンドのメンバー総出でステージに並んで歌ったりして、すごく祝祭的なムードに包まれて終わりました。23世紀の正月ってきっとこんな感じなんだろうな。
 
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というわけで、ネオン色のおもちゃ箱をひっくりかえしたみたいににぎやかでセンセーショナルな4時間でした。この眼で23世紀を確かめるまでは絶対に死ねないし、あと200年くらいはさくっと長生きしたろかな!と思えるライブでした。

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