オルタナ

ライブと映画

『肉』 ※ネタバレあり

もしおじいちゃんがワープロの日記(うちのおじいちゃんは毎日パソコンで日記をつけています)に今日のブログのタイトルを打ってるシーンを目撃したら「ついにきたか…」と要らぬ覚悟をしてしまいそうなほど不可解なタイトルですが、れっきとした映画のタイトルです。絶賛ロードショー中の映画「肉」を観てきた感想を書こうと思います。ネタバレしておりますのでご注意下さい。

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正直そこまで観たいとも思ってなかったのですが、たまたま時間に空きが出来たのでぴゅっと行って来ました。あまり宣伝もされてないし、内容も万人受けするような感じでもないしお客も少ないだろうなと思ってたのですが結構入っててびっくりした。中にはカップルで来てるツワモノもおりました。
「肉」というタイトルとR18という設定からしてもう情緒もへったくれもないスプラッタ映画かと思ってたんだけど、そうではなかったです。そもそも原題は「肉」じゃなくて、WE ARE WHAT WE AREというちょっと哲学性さえ感じるタイトル。
カニバリズムの伝統を受け継ぐ家族の物語で、娘たちがその伝統を廃止しようと試行錯誤して父親に刃向ってみたりするお話なんだけどラストが素晴らしかったですね。正直に言うと私はどうしようもないスプラッタを期待してこの映画を観に来たのですが、途中80分くらいまでは家族の亀裂!少女の葛藤!謎の推理シーン!とかありがちな話と展開ですごくつまらなかったんですが、ラストが素晴らしかった。美談にも猟奇にも転べないどっちつかずの作品というのがすごく嫌いなんですが、最後の最後で最高の猟奇に転んでくれました。実の父親を本能に任せて貪り食う二人の美少女!その後に見せる”人食なんて当たり前よ”、とでもいうような清々しい表情!これまでの苦労は何やってん!と突っ込まざるを得ないですね。ホラーなのでこれでいいです。80分間眠気を噛み殺しながら観た甲斐がありました。

役者について言うと、妹役のジュリア・ガーナーちゃんがとても綺麗でした。眠いタイムのところはジュリアちゃんの美貌見たさでなんとか起きていることができました。ありがとう。