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オルタナ

ライブと映画

ロストイントランスレーション

映画

コッポラの撮ったやつだからという理由でとりあえず観てみた映画。コッポラというとどうしてもヴァージン・スーサイズの少女!退廃!映像美!というイメージが頭に強くあって、これもそういうイメージから入って観たんだけどテイストはだいぶ違った。こっちのほうが好きです(というかそもそもヴァージンはそんなに好きじゃない)。

外国人が撮った日本(東京)を舞台にした映画というのはもしかしたら初めて観たかもしれない。私も都会のネオンのツヤツヤしたぎらめきとか隠す気ゼロの自己顕示欲とか大好きだけど、プロ〇スのあの黒と黄色のくっきりしたネオンがでかでかと映し出されるシーンにはつい苦笑いしてしまった。けど海外のほとんどの人はあれがサラ金会社の看板だなんて知らないだろうし、純粋に美しいと感じたものを集めて映像にしてるんだと考えると(コッポラの美的感覚は大好きです)、これまで生きてきた中で勝手に培った先入観のせいできれいとか美しいと感じれなくなってるものって多いのかもしれないな、とちょっと寂しくなりました。あとさっきヴァージンは好きじゃないって言ったけど、ストーリーが好みじゃないだけで映像に関していうとヴァージンもすごく好きなのです。セボンスターを集めた宝箱をひっくり返したみたいな、思春期のきらきらしたチープな憧れが詰まっててきれいだから。この種類の違う、自意識の権化みたいな美しさもこの作品みたいな直感的な美しさもどちらもうまく切り取って映像にできるのってすごい才能だ。

ボブとシャーロットの関係も最後まで素敵だった。パッケージには”ひとときの恋心”って書いてあるけど、私は恋心とも友情とも取りたくないなぁ。確かに双方に恋心はあったかもしれないけど、そういう名前の付けられたものじゃなくって、二人の間にあったのはもっとあたたかい愛情だったと思う。そうであってほしいし、それなら絶対ひとときじゃない。90分の短い間にここまで密な感情の疎通を感じさせてくれる作品ってなかなか無いと思います。

今から言おうとしているこの言葉が、こうやって感想ブログを書いてる意味をも無くしうるほど身も蓋もない言葉だということや、日本という表現方法に富んだ国に生まれた人間として堂々と使用することに多少の恥ずかしさを感じなければいけない表現であることは重々承知しておりますが、最後にひとこと言わせてください。

良い映画だった。