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オルタナ

ライブと映画

縞模様のパジャマの少年

かわいい外国の男の子が見たい!という多少よこしまな感情を胸に借りてきた映画だったけど、思いのほか重くってラストはおしゃぶりを取り上げられた幼な子のように口をポカンと開けて観てしまった。いつも映画を見るときは詳しいあらすじを確認せずに、好きな人が好きと言っていたからとか、この映画を観た人はこれも見ていますとかいう投げやりなリストからタイトルとヴィジュアルのいいやつを適当にピックアップして借りて観ているからこういう誤差はよく発生します。けど思い返すとそういう誤差のある作品のほうが結果的に記憶に残ってるし、観てよかったと思うことが多い気がする。

ストーリーや時代背景はすでに描き尽くされてきたといっても過言ではないドイツのアウシュビッツ強制収容所ホロコーストを題材にしたお話で、子供の目線からそれを見つめるっていうのもまあよくある手法だったけど、そのオーソドックスな描き方がかえって新鮮だった。戦争映画を見ると「風化させてはならない」とか「二度と繰り返してはならない」とかいつも本当に人並みの感想しか持てないのだけど、これもそういう感じ。監督自身も「意図せずに教育的な映画になった」と言っていたから、こういう普通の感想を多くの人に持ってもらうことがこの作品の一番の幸せなんじゃないかな。ただ、あまりにもラストに救いが無さすぎて感情移入して観ていると本当につらくなる(戦争映画には救いなんて無いほうがいいとは思うけど)。父の因果応報を子供が受けるっていうのも、戦争の非情さとか残酷さを以てして納得して受け入れるべき点かとも思うけど、子役の二人が良い演技するもんでやる瀬無さ倍増だった。

この映画観終わったあとぼんやりと「同じ敗戦国でありながらドイツと日本との決定的な違いとは、ドイツは強制収容所を自国が戦争で行った加害の象徴として、日本は原爆ドームを戦争被害の悲壮の象徴として保存し続けている点である」って何かの本(忘れた)で読んだことを思い出した。ドイツは日本の原発事故を受けて自国の原発の廃止をすぐに決めたけど、日本はまだ原発稼働してるうえにさらに作ろうともしてるもんね。この作品も自国の「被害」より「罪」を忘れないようにっていう色合いがより濃く感じられて、妙にあの本(忘れた)の一文に納得してしまった。