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オルタナ

ライブと映画

GOATBED"Se Tag Aya - Re:Public GB@Publicity"8.30・31@世田谷パブリックシアター

石井秀仁 ライブ

久しぶりの更新になってしまいましたが、この間決してIG(=Ishii Gal)としての活動をサボっていたというわけではなく、3月にはゴートのワンマンを見に単身北海道まで飛びましたし、春に行われたカリガリのツアーとインストにも勿論参加しました。そこでまさかのV系お家芸・4ショット撮影会という恐怖体験(組長と舎弟の血の契りみたいな写真が撮れた)をしたり、握手会では青さんの大福お手手に包み込んで頂いたりと、石井さんを追い始めてから過去最高ペースで現場に足を運んでいたことだけは報告しておきます。4月から新生活が始まったり、新たな趣味が増えたりしたせいもあり、なかなか各ライブの感想をまとめる余裕を持てなかったのですが、先日行われたGOATBEDワンマンが大変素晴らしかったので記憶からこぼれないうちに書き残しておこうと思います。

さて、何度か自白していますが私は希代のセトリ健忘症患者ゆえ、2日間もあるライブの曲順なぞ覚えていられるわけもなく、今回もまたボンヤリした感想を書き散らしてしまうのだろうな…と諦念めいた絶望を胸にパソコンを立ち上げたのですが、俺たちのメシア雄次さんが全セトリを公開して下さったので今回はそちらを参考に書き進めていきます。

 

8月30日

今回のライブの開催にあたり、ファン及び主催者ともども最も気を揉んだことといえば確実に台風でしょう。「30日に非常に強い勢力の台風が関東に直撃」というニュースが日夜脅しのように放送され、新幹線動くかなぁとか次の日仕事だけど帰れるかなぁなどと社会人の嗜みとして形式的に心配はしていたものの、チケットはもう手元にあるわけだしホテルも予約していたので、どんな状況になったとしても最終的には行っていたと思います。結局進路はズレて東京は2日間とも好天に恵まれたのですが。

というわけで交通機関も円滑に動き、時間通りに無事パブリックシアターに辿り着いたのですが、入口の時点から「これまでとは違うゼ!」感が出ていて打ち震えました。適度に年季の入った銅褐色の壁の中に貼られた胸部丸出しスタイルの石井さん(通常運転)のポスターはなんだか非常に感慨深いものがありました。門構えの時点からボルテージを高めつつ恐る恐る中に足を踏み入れると、3階席まである天井の高いホールが広がっていました。ステージにはいつもより大きなバックスクリーンと見覚えのある機材が並んでいて、「本当にこんな素敵な場所でゴートが見れるんだ」とウッと胸に込み上げてくるものがあった。

定刻から15分ほど過ぎたところで本編がスタートし、1曲目は新曲のインスト。続く2曲目はFAN&DEATH ver.の壮大なTBPTが奏でられ、このアレンジはこの日のためだったのか…!と一人合点してしまうほどにぴったりと会場の雰囲気に合っていた。この日の石井さんは序盤から喉の調子がノリノリで、いつにも増して"唄"というものの輪郭が濃くハッキリと感じられた。Whodunit~やCOSMOCALLと定番曲が続いた後、これまた定番のThe Optimist~が始まり、この時点で完全に振り切れました。完全指定席だったためどうノればいいのか分からず、最初こそやりづらさを感じてはいたんですが、この曲が始まった途端両サイドも自由に動き始めたのでここぞとばかりに自分も踊る方向にシフトしました。その後は今回の配布曲が2連続で続き、SONATINEで「kiss kiss kiss,kiss my hands」とストレートに歌い上げる石井さんに「ディズニープリンセスかな♡」とうっとりと聴き惚れたり(のちに該当の歌詞はhandsではなくassという肛門を意味する単語だったと知り頭を抱えるハメになる)、BELLA-DONNAの変拍子のカッコよさに心を鷲掴みにされたりして、こんなものを無料で配ってしまう石井さんの男気に恐れ入ってはまた物販で旅立つ万札が増えるのでした。

その後もFORM SWEET FORM、ying&yangなど近年のゴートのカッコいいところがギュッと凝縮された曲が立て続けに披露され、本編1/3の時点でお客様満足度99%くらいあったと思う。deNUDEからはコーラスの藤島さんが参加され、より潤んだ熱を帯びた曲へと変貌していた。それでも両者とも声が一点の曇りもなく美しいので、世俗的なエロさは全く感じられず、ただただ清廉な官能が広がっていた。リトマス紙がじゅわりと朱色に染まっていくような、沁みてゆくような美しさだった。ところで私はこの日初めてコーラスがあるスタイルのゴートのライブを見たんだけど、本当によく合うなぁと感動しっぱなしでした。LIGHTNING~もMUSK CATもより一層の澄み渡った艶を得ていた。

中盤は新曲のインストやGreen Bad Skunkをバックに、プロのダンサーの方によるコンテンポラリーダンスがあったんだけど、これがとても衝撃的でした。初めてこういう種類のダンスを見たのですが、"目が釘付けになる"という体験を久しぶりにしたような気がする。いつもは石井さんのライブに行くと目が単焦点レンズになったように石井さんしか見えなくなるんだけど、この数十分間だけは完全に石井さんがモブだった。ダンサーの関さんの極限まで無駄を削ぎ落とした身体の美しさや柔らかさに感嘆したのは勿論ながら、何よりその表情から発される力に圧倒された。まるで気化した生命が顔から表出されているようで、一時も目を離してはならないと本能で感じた。途中、石井さんがおもむろに関さんに服を投げるというパフォーマンスが挟み込まれており、そこでやっと「そういえば今日はゴートのライブに来ていたんだった」とハッと思い出したのですが、あの時の石井さんの緊張と誇らしさの入り混じったような表情(かわいい)は今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。

ダンスが始まったあたりからツインドラムも入り、より重みと奥行を増した音楽編成になったのですが、そのドラムが視覚的にも聴覚的にもカッコよくてカッコよくて仕方なかった。華奢な女性ドラマーから繰り出される力強いビートは広いステージに拍動を与える心臓のようで、特にOPENING CEREMONYとDAMNED THING~の力強さは圧巻でした。

天使達で一旦本編が終了して、アンコールで出て来た際に「今日のメンバーはGOATBED以外の人の方が多いというなんとも他力本願なライブですよ。」と話してたんだけど、それだけ外部の人に協力してもらえるのもあなたが今まで頑張ってきた成果と人望の賜物だよ…!と運動部の顧問みたいなことを思い、目頭が熱くなりました。ほか個人的に興味深かったMCは「女性のサポートばかり呼ぶのは女性が好きだからというわけでは…まぁあるんだけど、そうじゃない。男性だと色々比べられるでしょ?だから…。…意味分かります?」と言っていたことでした。石井さんが女性(しかも美女)ばかりゲストに呼ぶのはてっきり「ほーら俺、こんな美女の中に混じっても美しいっしょ?」みたいなのをファンに比較させるためだと思ってたのでびっくりしました。どうやら私の見当違いだったようです。猛省。

アンコールのROSE&GUNでは石井さんが最前にやってきてお客と一緒にステージを見るみたいな場面があったのですが、その日の終演後のツイートで「もっと客席から見たい」というようなつぶやきをしており、今回のステージに対する自信や掛ける思いの深さがひしひしと伝わってきました。今回のライブを一つの作品としてすごく愛してるんだなと思った。

 

8月31日

セトリ前半は昨日とほとんど変わっており、2日間行っても飽きを感じませんでした。特にDREAMON~は最近行ったライブの中でもトップクラスに入るほどの歌声のキレと伸びで、放たれた声が高い天井にそのまま轟いていく様子が目に見えるようだった。バカみたいに当たり前のことを言って申し訳ないんだけど、石井さんってね、本当に歌が上手いんですよ。

この日のdeNUDEは最前のお客さんにゼロ距離の位置まで近付いていっていたのですが、あんな間近であんなえっちに(語弊を恐れないスタンス)歌われたらさすがにどんな強心臓でも脈拍が間に合わないと思います。特に最前でもなかった私ももらい不整脈してしまいました。

他に印象に残ったシーンだと、BELLA-DONNAのラストでマイクを両手に持って天を仰いで「Make me!」とシャウトしていたのがカッコよかったです。ゴートのライブで聴く石井さんの歌声というのは電子の旋律が体温と意志を持って動き出すようなイメージで、何度行っても良い意味で慣れることが出来ない。

後半のセトリは前日と同じだったのですが、1205で関さんに人文字を促され「俺も!?」という素振りを見せながらも小さく自分もやっていた石井さんがかわいかったです。MCでは「カッコいいですねぇ」「流石プロですねぇ」「なんか告知あります?」「俺も人のライブ出たら大丈夫ですって言いますね」「でも岡本さんはもう今年3回も一緒にやってるんだから人のって思わなくていいんですよ(ニヤニヤ)」みたいな岡本さんへのデレタイムがかわいすぎて、終始えびすさんみたいな顔して聞いてました。

今年最後のワンマンが終わってしまう寂しさを抱えながら一連のMCを聞いていたのですが、突如「宣言通りGOATBEDの今年のワンマンはこれが最後ということですが、ライブはありますので告知をします。」と朴訥に話し始め、対バン決まったのかなぁと思って聞いていたら、なんとGOATBEDとBEATGODの対バン(対バンとは言っていない)が決まったそうです。しかも毎年恒例の12月に。そりゃ行くよね。

そして最後にハケる時、昨日と同じように床まで手を付けた前屈お辞儀(by 関さん)にまたもや挑戦してみてたんだけど、やっぱり出来なくて「だから俺ヘルニアでぇ…」って苦笑してたのがチャーミングでした。ところで一連の石井さんのアクティブな動きによって私の中のヘルニア像がどんどん崩れていってるんだけど、あれってかなり辛いんだよね…?一体どうなってるんだ…?

*

といった感じでいつもとはかなり雰囲気の違うライブでした。石井さんが音楽という枠を踏み越えて(尚かつそれを内包して)魅せたかったパフォーマンスを、こんな素敵な空間で体験することが出来て嬉しい限りです。美しい夏の終わりをありがとうございました。

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